問い合わせも電話も数えられていなかったサイトを、成果が測れる状態にした話

問い合わせも電話も数えられていなかったサイトを、成果が測れる状態にした話

Webサイトの改善というと、デザインや記事の話になりがちですが、その前に確認すべきことがあります。「そもそも成果を数えられているか」です。健康関連の商品を製造・販売するある会社の公式サイトは、ブログ記事も多く、別ドメインの通販サイトへの送客も担う大事な窓口でした。ところが、アクセス数は見ていたものの、「サイトが商売に効いたのか」を示す数字は何ひとつ取れていませんでした。今回は、このサイトを「成果が測れる状態」にするまでの実例をご紹介します。

この記事の要点
  • アクセス数しか見えていなかった公式サイトに、「通販サイトへのクリック」「電話タップ」「フォーム送信」の3つの成果計測を設定した。
  • 電話タップは「設定したのに永久に記録されない」状態だった。原因は、解析ツールの標準機能が電話発信リンクをそもそも記録対象外にしている仕様。
  • 設定後はテスト送信・テストタップを行い、計測データが届くことを1件ずつ確認した。
  • 計測は設定した日から数え始まるため、効果の数字が溜まるのはこれから。
目次

課題:アクセスは見えるのに、商売への効果が見えない

このサイトには、アクセス解析ツール(サイトの訪問状況を記録する仕組み)が入っており、「何人が来たか」「どのページが読まれたか」は分かっていました。しかし、商売につながる行動——つまり成果は、次の3つのどれも計測されていませんでした。

  • 通販サイトへのクリック。別ドメインの通販サイトに何人送り込めたかが分からない。
  • 電話番号のタップ。スマートフォンから何件の電話につながったかが分からない。
  • 問い合わせフォームの送信。何件の問い合わせが発生したかが分からない。

この状態では、どの記事を強化すべきか、どこを直せば売上に近づくのかを、数字で判断できません。改善の議論がすべて感覚頼みになってしまいます。

やったこと:3つの「成果イベント」をAIと一緒に設定

そこで、アクセス解析ツールに「成果イベント」を3種類設定しました。成果イベントとは、訪問者の特定の行動(クリックや送信)を「これは成果だ」と数える設定のことです。設定作業はAIと一緒に進め、実装にはタグ管理ツール(サイトに計測の仕掛けを差し込む仕組み)を使いました。

  • 通販サイトへのクリック:別ドメインの通販サイトに向かうリンクが押されたら数える。
  • 電話タップ:電話発信のリンクが押されたら数える。
  • フォーム送信:問い合わせフォームの送信が完了したら数える。

あわせて、検索結果でクリックされていなかった記事4本のタイトルと説明文を書き直し、検索経由の主力記事には、読者の次の行動につながる追記も行いました。計測の整備と、計測した先で成果を生む記事の手入れをセットで進めた形です。

あなたの会社ではいくら削減できる?

業種と業務を選ぶだけで、削減時間と年間効果額の目安を無料で試算できます。

業務AI化診断を試す(無料・30秒)

つまずいた点:「設定できた」のに永久に数えられない罠

今回いちばんの落とし穴は、電話タップの計測でした。設定画面上はもっともらしく作れて、エラーも出ない。ところが、いつまで待っても1件も記録されないのです。

  • 原因は仕様でした。解析ツールの標準機能が自動で記録するクリックは「外部サイトへのリンク」だけで、電話発信リンクはそもそも記録の対象外だったのです。対象外のものを数える設定は、画面上どれだけ正しく見えても、永久に発火しません。
  • 対処として、タグ管理ツール側で電話リンク専用の計測を実装し直しました。標準機能に頼らず、電話リンクが押された瞬間を直接捕まえる方式です。
  • フォーム送信にも一工夫が必要でした。「送信ボタンが押された」だけでは入力エラーの場合も数えてしまうため、送信完了の合図をフォーム側から受け取ってから記録する方式にしました。

だからこそ、設定後の検証を省きませんでした。実際にテスト送信・テストタップを行い、計測データが届くことを1件ずつ確認しています。この確認をしていなければ、電話計測は「設定済みなのに一生ゼロのまま」で放置されていたはずです。

結果:3つの成果を数えられるサイトになった

「アクセスはあるが成果は不明」だったサイトが、通販クリック・電話・フォームの3つの成果を数えられる状態になりました。今後は「どの記事が売上に近い行動を生んでいるか」という基準で、改善の優先順位を決められます。

ひとつ正直にお伝えすると、成果イベントは設定した日から数え始まるもので、過去に遡って計測はされません。効果の数字が溜まるのはこれからで、数日後に実際のカウントを再確認する段取りにしています。「計測を入れた瞬間に成果が見える」わけではない点は、期待値として押さえておくべきところです。

この型が使える会社

  • アクセス数のレポートは見ているが、「それで問い合わせや売上は増えたのか」に答えられない会社。まず成果イベントの整備から始められます。
  • 公式サイトと通販サイトが別ドメインに分かれていて、送客の実態がつかめていない会社。
  • 電話での問い合わせが多い業種。電話タップの計測は今回の罠にはまりやすく、標準機能だけでは数えられていないケースが少なくありません。
この記事の結論

計測には「設定できた」と「実際に数えられている」の間に落とし穴がある。テスト発火の確認までがワンセットです。成果が数えられない状態でのサイト改善は、的の無い射撃と同じ。まず数えられる状態を作ることが、あらゆる改善の出発点になります。

この事例の教訓はシンプルです。計測の設定は、画面上で完成したように見えても、実際に発火するまでは信用しないこと。テストして、データが届くのを自分の目で確かめて、初めて「測れている」と言えます。もし自社サイトで「アクセス数は見ているが成果の数字は見たことがない」なら、デザインや記事の改善より先に、まず成果を数える仕掛けの点検から始めてみてください。

この記事のような仕組み、自社にも入れられます

診断から実装・定着まで一気通貫で支援しています(初回相談は無料)。補助金を前提にした導入設計にも対応します。効果額の目安を先に知りたい方は無料診断へ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

AIシゴト図鑑 編集部。中小企業の業務効率化・AI活用の受託開発とコンサルティングの現場で得た知見をもとに、「今日から検討できる業務AI化」を実例と数字で発信しています。

目次