溜まった議事録をAIに読ませて、次に自動化すべき業務を洗い出した話

溜まった議事録をAIに読ませて、次に自動化すべき業務を洗い出した話

会議のたびに議事録は増えていくのに、あとから読み返されることはほとんどない。多くの会社で心当たりのある光景だと思います。今回ご紹介するのは、社内の定例会議の議事録がドキュメントツール(社内の文書共有サービス)に大量に溜まっていた会社の事例です。「次にどの業務を自動化・ツール化すべきか」を決めたいのに、現場の困りごとがあちこちの会議に散らばっていて全体像がない。そこで、溜まった議事録の山をAIにまとめて読ませて、次の一手の候補を洗い出しました。

この記事の要点
  • 溜まった議事録をAIに横断で読ませ、繰り返し登場する困りごとや手作業を抽出した。
  • 出現頻度や影響度で整理し、根拠付き・優先順位付きの「自動化候補リスト」を作った。
  • 抽出条件の絞り込み、名寄せ、人による原文確認の3つが精度を左右した。
  • 次に作るものの議論が「思いつき」から「データ起点」に変わった。
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課題:困りごとは記録されているのに、全体像が見えない

この会社では、定例会議のたびに議事録が几帳面に残されていました。困りごとや「これ手作業でやってるんだよね」という発言も、実は個々の議事録にはちゃんと書かれています。問題は、それを横断して見た人が誰もいないことでした。

  • 「次に何を自動化・ツール化するか」を決めたいが、判断材料がまとまっていない。
  • 現場の困りごとが会議ごと・議事録ごとに散らばっていて、全体像がない。
  • 結果として、次に作るものの議論がその場の思いつきに頼りがちだった。

やったこと:議事録の山をAIに横断で読ませて棚卸し

新しくヒアリングやアンケートをするのではなく、すでに溜まっている議事録をそのまま材料にしました。AIに議事録を横断で読ませて、繰り返し登場する「困りごと」「毎回やっている手作業」「依頼ごと」を抽出し、整理していきます。

  • 溜まった議事録をAIにまとめて読ませ、繰り返し出てくる困りごと・手作業・依頼を抽出した。
  • 抽出した項目を出現頻度(何回話題になったか)や影響度で整理した。
  • 「自動化・ツール化の候補リスト」として、優先順位を付けて一覧にまとめた。

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つまずいた点

  • 議事録の粒度や書き方が会議ごとにバラバラで、そのまま読ませると雑談やすでに決定済みの事項までノイズとして拾ってしまった。「困りごと」「毎回やっている手作業」「依頼」といった表現に絞って抽出するよう、AIへの指示を調整して乗り切った。
  • 同じ困りごとが、会議によって違う言い回しで散らばっていた。そのままでは件数を正しく数えられないため、名寄せ(同じ意味の項目を一つにまとめる処理)が必要だった。
  • AIの要約だけをうのみにしなかった。上位に挙がった候補については元の議事録に戻り、本当にそういう文脈で話されていたのかを人の目で確認した。

結果

自動化・ツール化の候補が、「どの会議で何回話題になったか」という根拠付きで一覧になりました。これにより、次に作るべきものの議論が「思いつき」から「データ起点」に変わりました。誰かの声の大きさではなく、実際に現場で繰り返し困っていることから順番に検討できます。実際に、このリストの上位候補のいくつかは、その後の開発テーマになっています。

この型が使える会社

  • 定例会議の議事録やメモが、ドキュメントツールに大量に溜まっている会社。
  • 「次に何を自動化・ツール化すべきか」が、その場の思いつきや声の大きさで決まりがちな会社。
  • 現場の困りごとを吸い上げたいが、あらためてヒアリングの時間を取るのが難しい会社。
この記事の結論

溜まった議事録は、次の一手を決めるためのデータになる。AIに横断で読ませれば、散らばった現場の声を根拠付きの候補リストに変えられます。

議事録は書いて終わりにされがちですが、実は現場の困りごとがいちばん正直に記録されている場所です。新しく調査を始める前に、まず手元に溜まっている記録をAIに読ませてみる。それだけで、「次に何を作るか」の議論が一段具体的になります。すでにある資産を読み直すところから始められるのが、この型のいちばんの手軽さです。

この記事のような仕組み、自社にも入れられます

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この記事を書いた人

AIシゴト図鑑 編集部。中小企業の業務効率化・AI活用の受託開発とコンサルティングの現場で得た知見をもとに、「今日から検討できる業務AI化」を実例と数字で発信しています。

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