月次KPIの手入力をやめた話:フォルダに置くだけで集計データを自動転記

「毎月、各店の数字を管理シートに手で打ち込んでいる」——地味だけれど、確実に時間を溶かす作業です。しかも写し間違いが起きる。今回は、7店舗を運営する調剤薬局グループが、月次KPI(主要な業績指標)の手入力をやめ、集計データの自動転記に切り替えた事例を、つまずいた点まで含めて紹介します。

目次

課題:毎月の手入力転記に時間もミスも取られていた

毎月、各店舗の主要数値を担当者が管理シートに手入力で転記していました。店舗数が多いほど時間がかかり、桁の写し間違いや行のズレといったヒューマンエラーも起きます。しかも月初の忙しい時期に発生する定例作業で、担当者の負担になっていました。

  • 時間がかかる:店舗分の数値を1つずつ手で転記
  • 写し間違い:目視とコピペに頼るので、どうしてもミスが混ざる
  • 月初に集中:忙しいタイミングで発生する

やったこと:フォルダに置くだけで自動転記

レセコン(調剤報酬を計算・管理するシステム)から出力される月次の集計データ(XML=機械が読み取りやすい構造化されたファイル形式)を、自動で読み取って管理シートの該当セルへ転記する仕組みにしました。

  • 置くだけ:決まったフォルダにファイルを置くだけで自動で取り込まれる
  • 手打ちゼロ:どのセルに何を入れるかは仕組みが判断するので、人は打たない
  • 同じ手順で毎月:担当者が変わっても運用が続く

つまずいた点

「ファイルを読んでセルに入れるだけ」に見えて、実際にはデータの”クセ”への対応が肝でした。

  • 月初の混同:月初はまだ前月分のデータが揃っておらず、当月分と取り違える恐れがありました。そこで「基準日から翌月の一定日までは前月扱い」とする猶予(グレース)処理を入れ、締めのタイミングのズレを吸収しました。
  • ページ構成が月で変わる:出力されるデータの中身の並びが月によって変わることがあり、決め打ちで読むと崩れます。
  • 過去月の位置ずれ:さかのぼって見たときに、対象の月の場所がずれる罠にも対応しました。

結果:手入力ゼロ、転記ミスも消えた

手入力がゼロになり、写し間違いによる転記ミスも消えました。月初に担当者が数値を打ち込む作業が大きく軽くなり、その分を確認や分析に回せるようになっています。「入力する仕事」から「数字を見て考える仕事」へシフトできたのが成果です。

この型が使える会社

決まったフォーマットの数値を、毎月どこかへ転記している業務全般に応用できます。POSレジの売上、各種システムの月次帳票、業務ソフトの出力データなど、「出力→手で管理シートに書き写す」流れがあるなら同じ型が効きます。ポイントは、締めのタイミングのズレを見越した猶予(グレース)処理を最初から織り込むことです。

※ 記載の数値は、実際の取り組みをもとにした概算です。

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