「今月のSEOの調子、どうだった?」と聞かれて、そこから数字を集め始める——。オウンドメディアを運営する現場では、よくある光景です。アクセス解析の画面を開き、検索データを別の画面から拾い、表計算に貼り付けて集計する。この”毎回の手集計”が地味に重く、気づけば更新が滞る。今回は、その集計を自動化して定点観測に変えた企業の取り組みを紹介します。
課題:毎回手で集めるから、更新が続かない
この企業では、サイトの成果を振り返るたびに、数字を手作業で集めていました。
- アクセス解析:訪問数やページ別の閲覧数を画面から拾う
- 検索データ:検索で何回表示され、何回クリックされたかを別画面から集める
- 集計:それらを表計算に貼り、期間をそろえてグラフにする
1回あたりは数十分でも、毎回となると負担です。忙しい月は後回しになり、気づけば数字を見ていない期間ができる。定点観測のはずが、飛び飛びの観測になっていました。
やったこと:取得から更新までを定型フローにした
取り組んだのは、アクセス解析と検索データを自動で取得し、ダッシュボードを最新の状態に更新する定型の流れをつくることでした。
- 自動取得:手で画面を開かなくても、必要なデータを決まったタイミングで引いてくる
- 自動更新:引いたデータでダッシュボードの表とグラフを最新に置き換える
- 定点で残す:過去との比較ができるよう、期間をそろえて積み上げていく
ねらいは、「集める作業」をなくして「見て考える時間」だけを残すことです。数字を用意する手間が消えれば、更新が滞る理由もなくなります。
つまずいた点
自動化は、つないでしまえば楽ですが、つなぐまでにいくつか手こずりました。
- データ取得の認証:外部のサービスから自動でデータを引くには、アクセスの許可設定(認証)が必要。ここの初期設定でつまずきやすい
- 指標の対応付け:解析側と検索側で、似た名前でも意味が違う指標がある。どれとどれを突き合わせるかの整理が要った
- 期間のそろえ方:集計の締め方や日付の区切りが揃っていないと、比較しても意味がずれる。ここを最初に決めておく必要があった
結果:成果を定点で追えるようになった
自動化後は、SEOの成果を毎回同じ物差しで観測できるようになりました。集計の手間が消えたことで更新が途切れず、時系列で数字が積み上がります。すると、どの記事が効いているのか、どの記事が伸び悩んでいるのかを継続して追えるようになり、次に手を入れる記事の優先順位を判断しやすくなりました。「作って終わり」だった記事が、育てる対象に変わったのが大きな収穫です。
この型が使える会社
この仕組みは、サイト運営やオウンドメディアのレポーティング業務全般に応用できます。
- 毎月のアクセスレポートを手作業で作っている広報・マーケ担当
- 複数の解析画面を行き来して数字を集めている運営チーム
- 「効いている記事」を感覚でしか把握できていないメディア
始めるコツは、いきなり全指標を自動化しようとしないこと。毎回必ず見ている数字を数個だけ選び、そこから自動取得を試すと、無理なく定着します。集計に使っていた時間を、そのまま「どう改善するか」を考える時間に回せるようになります。
※記載の数値は実際の取り組みをもとにした概算です。
