LINE公式アカウント(企業や店舗が友だち登録した人へ直接メッセージを送れる仕組み)は、多くの会社で使われるようになりました。今回ご紹介するのは、複数の店舗を持つある会社の事例です。各店がそれぞれLINE公式アカウントを運用していましたが、「効果があるのか」「どの店がうまくいっているのか」がはっきり見えないという悩みを抱えていました。データを一箇所に集めて見えるようにした取り組みを、実務目線で振り返ります。
目次
課題:数字はあるのに、比べられない
店舗ごとにアカウントを持っていると、数字自体は各画面に存在します。ところが、それを横に並べて比べる手段がありませんでした。
- 友だち数・配信の反応(開封やクリック)・ブロック率(登録を解除する割合)が、店舗ごとに別々の画面に散らばっていた
- 店舗を横断して「どこが伸びているか」を比較できなかった
- 過去の配信について「どれが効いたのか」を後から振り返れなかった
やったこと:一箇所に集めて、比べられる形にした
各店のLINEデータを一箇所に集約し、ダッシュボード(複数の数字を一画面でまとめて見られる表示)で可視化しました。単に数字を並べるだけでなく、動きの意味が読み取れることを重視しています。
- 友だちの増減を時系列で表示し、増えた・減った時期がひと目でわかるようにした
- 配信ごとの反応を並べ、どの内容がクリックされたかを比較できるようにした
- 店舗間を同じ画面で比較し、あわせて「どの配信が効いたか」の示唆を添えた
つまずいた点
- 既存の配信の仕組みは動かしたまま、データだけを取り出す必要があった(現場の運用を止めないため)
- 手作業では続かないので、毎日自動で最新の数字に更新される形にした
- 店舗ごとに友だち数の規模や配信頻度が違い、そのままでは比較の土台が揃わなかったため、基準を合わせる工夫をした
結果
「なんとなく配信する」状態から、「効いた配信を見つけて再現する」運用へ変わりました。反応の良かった配信の型がわかるため、次の配信の当たり外れが減ります。また、ブロック率が高くなっている店舗を早い段階で見つけられるようになり、友だちが離れきる前に配信内容を見直せるようになりました。数字を見る会話が、現場と本部の間で自然に生まれたのも大きな変化です。
この型が使える会社
- 複数店舗でLINE公式アカウントを運用しているが、店舗を横断して効果を見られていない会社
- SNSなど複数のアカウントを持ち、それぞれの反応がバラバラの画面に散らばっている会社
- 配信はしているものの、何が効いたのかを振り返る仕組みがない会社
大がかりなシステムを新しく入れ替えなくても、すでに手元にある数字を集めて並べ替えるだけで、見えてくることは想像以上に多いものです。まずは「同じ画面で比べられる」状態をつくること。そこから、感覚だけに頼らない運用への一歩が始まります。
